背景
近年、多くの人が老後には2000万円必要であることを頭の片隅に置いています。 老後2000万円問題が社会に与えたインパクトは、2018年出版の垣谷美雨氏著『老後の資金がありません』(中央公論新社) が映画化・舞台化されたことからもうかがえます。 そもそも「2000万円」という金額は総務省の「家計調査報告(2017年)」の調査結果を基に試算されたものです。 高齢夫婦無職世帯の毎月の平均的な収入(公的年金)と支出では5万円程度の赤字が出るため、この赤字を埋めるための老後資金として約2000万円必要とのことでした。 しかし、昨今の物価高などを鑑みて「老後4000万円必要とする」という見方をする識者も少なくありません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c70831db0d1032322a866c7f4a8ea8c16383db70
本記事では、定年後までに4000万円の資金を蓄えることを念頭に複利の効果を検証します。
貯蓄と投資
定年後までに4000万円の資金を蓄えるために、貯蓄と投資で月当たり必要な積立額を比較します。前提として、労働可能年齢を40年間としています。
貯蓄
月当たり必要な積立額をx[万円/月]とします。40年間で4000万円貯蓄するために必要な積立額xは、
\[ x = \frac{4000 [万円] }{40[年] \times 12[月/年]} = 8.333 [万円/月] \]
となります。
投資
毎月の積立金額を x [円/月]、月利率を r [-]、積立期間を n [月]とすると、最終的な残高 S[円]は次の式で計算できます。
\[ S = x \times \frac{ (1 + r )^n -1 }{r} \]
- x: 毎月の積立金額 [万円/月]
- r: 月利率 [-](例えば、年利5%の場合は月利 \( r= \frac{0.05}{12} \) )
- n: 積立期間 [月]
- S: 積み立て後の最終的な残高 [万円]
年利率5 %で月払いの投資を行う場合、40年間で、残高が4000万円になるためには、
\[ 4000 = x \times \frac{ (1 + r )^{(40 \times 12)} -1 }{r} \]
\[ r = \frac{5}{100 \times 12} = 0.004167 \]
xについて解くと、x = 2.621[万円/月] となるのです。
積立額と残高のグラフを以下に示します。積立額は月当たり2.621万円(黒線)、年利率 5%を考慮した残高(赤線)との関係を表しています。
30年間で約2倍の差、40年間で約4倍の差となるのです。
比較
貯蓄の場合: \( x_{貯蓄} = 8.333 万円/月 \)
投資の場合: \( x_{投資} = 2.621 万円/月 \)
差額:\( x_{貯蓄} – x_{投資} = 5.71 万円/月 \)
なんと、40年間年利5 %で投資し続ければ、月当たりの必要積立額に5.7万円の開きが出るのです。
これぞ複利の魔術・・・!
年利5%を達成するために
全世界株式の場合
全世界株式の場合、過去30年の平均年利が9.8 %、過去20年の平均年利が10.6 %、過去10年の平均年利が12.4 %でした。
先に検証した、年5%を達成できていますね。
過去30年の平均年利9.8 %の場合、年あたりの投資額9.542万円 = 月当たりの投資額0.7952万円で40年間で4000万円にします。
40年間の総積立額が382万円で、4000万円に到達してしまうのです。約10.5倍になるのです。複利ってすごいですね。
総括
上記検証で複利の効果を実感できたいでしょうか?老後4000万円問題、年利5 %の場合月当たり約3万円の投資で確保できちゃいます。なかなか現実的じゃないでしょうか?
ぜひ、投資信託にて積立を始めてみては?
*あくまで投資は自己責任ですが。
積立投資始めるならSBI証券がオススメです。モッピーで、50000円入金で、7000ポイント(= 7000円分の価値)がもらえるキャンペーン開催中です。先に説明した全世界株式はSBI証券で買えます。
コメント